菊花石の見所は花と色彩にあります。花が綺麗にまとまっても、色彩が良くないと喜びません。花が乱れても色彩の美しい花と母岩は、花の難を隠してくれるのです。また、菊花石の呼び方も紅花、白花と花の色彩で菊花石を呼んでいることが多いのです。専門店は、色彩の綺麗な母岩が出るとすぐ愛好者に連絡して求めてもらったので、愛好者の棚には、貴重な黄金、紅白、孔雀菊などがあります。
菊花石の魅力は花と母岩との色彩取り合わせです。紅花は、緑の母岩には華やかに、茶の母岩には、落ち着いた雰囲気を醸し出します。赤倉山から産出する紅花は、花が小さくなる程花全体に色彩を深めて入るのです。
少し灰色がかった花も白花としていますが、そんな白花の中で、石灰質の不純物をマグマが焼き尽くしたような花があります。乳白と呼ばれる深い白、透明感のある銀鱗白、瑪瑙(めのう)になった瑪瑙白の花があります。清楚な白花が愛好者に好まれました。
昭和62年、赤倉山から瑪瑙になった黄金菊花石が産出した。春の頃産出して、夏には白花に変わりました。この時、関西の愛好者が原石を求めて根尾谷に通ったので、黄金菊花石が関西にたくさんあります。
瑪瑙の花が透き通っています。紅花は、ザクロの実のように淡く透き通ります。黄金菊花は、光を透き入れて花の中まで明るく輝いています。
菊花石の多くは、水蝕を受けています。水により錆を生じている花を「さび菊」と呼んでいます。おいておくと錆が深くなり黒ずんできます。石を売るために、岐阜では、これを黄金菊といっていました。
母岩と花がグレーの色彩をした母岩をいいます。菊花石の夜の梅です。
母岩の色彩は石灰質を含む量と、マグマに含まれた鉱物質が微妙に合わさり合って出来ています。また、色彩は母岩の硬さでありダークトーンの石の世界では、思考を越えています。
菊花石の中では一番硬い母岩。グラインダーで削ると火花が出ます。そして、軟らかい花の特徴(芯が無い 花弁が乱れる)を持っています。軟らかい密度の低い母岩に珪酸(けいさん)が浸タンしたのでしょうか。
沢山の石灰質を含む母岩です。花はまとまっているのですが、花と母岩の色彩が同質同色で、荒削りの時は花を見せていますが、綺麗に磨くと花がわからなくなっていきますので、ナスの母岩は、荒磨きに留めています。
たくさんの石灰質を含み、母岩全体に斑紋が入っています。花は、豆菊や団子になった花が入っています。水蝕を受けると泥となってしまいます。