美しい風景の中で石を探すことは、何よりもの贅沢です。今でも根尾谷に行くと時間の許す限り川に入り菊花石を探しますが、菊花石がなかなか見つかりません。しかし、川に入るとさまざまな石があり、水と風の中での対話は楽しいのです。
東谷川の分岐点から一番上の堰堤あたりまで見学できます。石灰岩が多いので谷は白く輝いています。石灰岩地帯にはアブと山ヒルがいますが、特に初鹿谷には多いので、注意して下さい。戦前、この谷に入った川合玉堂画伯は余りに川が美しく、川に流れる七宝の菊と歌に読んだのです。今は、工事と素人が石を割った欠けらが転がり、昭和50年頃の美しさはありません。
切り立つ崖が続いて川に降りる道が無く、地元の愛好者が胴長をはいて探しているところです。菊花石は普通の石より比重が重たいのです。川の流れは、重たい玉菊を比重選別して一所に集めるのです。水が出た後、地元の愛好家は探しに行き、貴重な川ズレ菊のコレクションを作りました。
輝緑岩と石灰岩が造り出した東谷川の色彩豊かな川面、花崗岩と安山岩が造り出した西谷川の川面、同じ根尾谷でもこれだけの違いがある。
薄墨桜の通り道に桜茶屋があります。地元の愛好者 宮脇氏のお店です。菊花石の探し方など教えてくれます。ここから上手は、大きな石の河原が続いています。下手には、小さな石の河原が点在して梅林石や化石などが見つかります。
地元の愛好家 畑中氏の裏手の河原。日課のように探しています。夏は、鮎釣り師の竿が並びますが、1日のんびりと家族で遊べる広い河原です。地元の女性愛好者が朝から2つといって見せてくれました。