火山のマグマがつくり出した石は生成時の自然の流れをもっています。そんな石の中で菊花石は自然の流れを花に置きかえているのです。その自然の流れを見いだして見せるのが花出しです。それは、私たちが失った自然感を取り戻す作業をしているのです。しかしながら、岐阜では未だに海底にマグマが流れ込んで出来たなどと言っているのです。
マグマの流れ(生成)を理解することなく、膨大な菊花石が産出され、安易に花が出されてきました。そして産出が終わりました。産出のない今、菊花石の本質を見いだして、少しでも自然を感じる石に造り直しすることにあるかと思います。
この菊花石は平成24年の秋、私と愛好者2人で赤倉山に行く途中、西国33か所、谷汲寺の参道にある神山石店に立ち寄り求めた菊花石です。販売している中で一番花の色彩が美しい母岩ですが、形が歪んで見苦しかつたのです。台のつくりと花の出し方からみて愛好者が花を出したのでしょうか? 菊花石がわからずに削っているので花の出しすぎた所と出し足らない所などで母岩の形が凸凹になっています。この石では、あまりにも可哀想なので求めて改作しました。
中途半端に花を出したので、花に繋がりがなく形の悪さだけが目につきます。
この後、手磨きで最終800番のペーパーで仕上げます。磨き上げると緑の母岩に瑪瑙の白花が凛として輝きます。最後に、台をつくり出来上がりです。