菊花石を削っていると、余材や作品にならない割れた石が沢山出来てきます。そうした石を薄く板状に引いてみて、平面的な中に菊花石の花の並びと奥行きを感じさせる面を選んで風景を作りました。
母岩の巻き込みに合わせて花と花弁が躍動しています。これは軟らかい母岩に咲いたのですが、母岩と花が瑪瑙化しているので硬い母岩が青く輝きピンクの花が舞っています。
細い花弁が乱れています。母岩が軟らかい時動いたのでしょうか。全ての花が躍動感をもっているのです。
大きな花弁の端から小さな花弁がでています。花弁の端に粒子を集めて再び弾けたのです。さらに石を割った割れが前後に大きくずれたので、繊細な仕組みと力強さがこの小さな石にあります。
山石(火山灰)の上を流れたマグマが強く結合しています。横から見ると黒い山石と黄緑の母岩が混然となり一体化しています。生成時は水と油のようにせめぎ合いをしたのです。
直径30cmを超える花弁の断面です。花弁が外側から氷が凍るようになったので、覆輪の氷結模様をまとっています。
上と同じ石でその花弁の横側です。花弁と花弁が押し合っています。その押し合うあいだに小さな花が隠れています。
薄く生成された母岩は皮目の下に沿って花が並んでいます。そこを切ると花が並んで表れます。そして多くの花に芯があります。それは芯が大きかったからで、小花で大きな芯は珍しいのです。
上の作品の上側です。同じようでも刃の厚みだけ違っています。そして、上と下では少しだけ皮目がついている上側に魅力があるのです。
花の並びを縦に見ています。満開の花、八分咲きから八重咲きと花の咲いている深さを見ているのです。そして、大胆に入る割れが花を引き締めています。
花に動きを感じます。この花を総花菊とよんでいます。花弁の先を削り込むと花が広がり、全体が花になるのです。平面は花の仕組みを表していて菊花石がわかるのです。
小さな核が弾けて粒菊をつくっています。余りにも核が集まり過ぎている所は押し合い団子になっています。
Disco社製のダイヤモンドパットを使い150番、300番、1000番、3000番、ツヤと順番にかけていきます。加工能率を上げるためにパットの中を抜いています。磨くと酸化しない肌と菊花石の持つ宝色が表れます。右下はツヤ出しパット、周速を遅くするためにパットを小さくして使っています。