約7千万年前、白亜紀の終わり頃から地球が活動期に入り、地球規模で造山活動が起こりました。付加体として乗り上げた赤倉山や舟伏山からもこの頃にマグマが噴出したと考えています。
最初、その噴出は大量のマグマを噴出させ大量の石灰岩を溶かしたのです。マグマの熱に溶かされた石灰岩は、ドロマイト石灰岩に変化して大量のドロマイト鉱床を美山周辺に作りだしました。
そして、最後に山の頂上付近から噴出したマグマに花が出来きました。それは、マグマの量が僅かであり、それが石灰岩を絶妙に溶かし込んだのです。
マグマに溶かされた石灰岩は飽和状態となり、山頂から流れ下って行きます。このマグマの流れが樋(とゆ)の様に続いていたので「樋」(ひ)と呼んでいます。
この樋の流れの中に母岩が形成されているので、全ての母岩に流れを持っています。それは川のように流れたので、母岩の皮目に水の流れを彷彿させる痕跡を残しています。
皮目の上にはマグマが巻き込むような流れを残し、母岩の下には擦れ合った痕跡を残しているのです。皮目と母岩の形を見ると母岩の資質がわかります。
マグマの流れが止まると、マグマの中の石灰質の粒子が上にあがっていきます。粒子が集まり花となる核を形成するのです。
そして冷えるとまだ軟らかいゲル状のマグマの中の核が圧縮され弾けます。弾けた一つ一つの粒子が波動を広げるのです。その広がる波動に沿って石灰質の組織が揃うので花になるのです。
マグマが軟らかい時に弾けて広がったので、多くの花の花弁が乱れています。マグマと石灰質の比率、母岩の大きさ、母岩の形、核の形成、核の並びなどにより、菊花石の花を作り出しています。
そしてさらに、この花と母岩にて美しい色彩が入って瑪瑙になったのです。それは、マグマに含まれていた鉱物質の作用と長い時の経過による、自然の贈り物として感謝しています。
小さな母岩や硬い母岩に小花が咲いています。小さな母岩は母岩の熱が早く冷えるので核の結合が少ないのです。そして小さな集合核は丸く集まり弾けて形の良い小花が出来るのです。また、硬い母岩は、石灰質の含みが少ないので、小花をつくっています。
マグマに溶かし込まれた石灰質は、飽和状態の気泡となり火山灰の上を流れ下ります。
流れが止まると、マグマの中で軽い石灰質の粒子が上にあがり、皮目の下や巻き込む層に沿って、粒子と粒子が合わさり核を形成します。
更に核と核が合わさり合います。薄い母岩や小さな玉樋は早く冷えるので核の結合が少ない小さな集合核になります。
そして、マグマが冷えると核を圧縮します。圧縮されると、核の中は押し合い角錐体になります。
更に核が圧縮され核が圧縮限界を越えると、核が破裂して一つの粒子や核から波動を伸ばして花弁がつくられるのです。
大きな花は大きな母岩や厚みのある母岩それと石灰質を多く含んだ母岩に咲いています。大きな母岩は、母岩の熱が長く続いて核の集合が多く集まり大きな核となり弾けるので大きな花となります。石灰質を多く含んだ母岩にも大きな核が出来て大きな花が出来るのですが、良い花になりません。
沢山の核が一カ所に集まり弾けた花をいいます。集まった核がそれぞれに花弁を伸ばすのです。その押し合いで花をつくっています殆どの花が合芯で出来て乱れていますが、押し合う芯を見れば核の集合がわかります。
大花よりも中花にはっきりとした多重芯の花を見ます。芯が何層にも集まり、その押し合いが互いに押し合って多重の芯をつくるのです。
大きな核と小さな核が合わさったのです。大きな核が小さな核を押し潰すことなく調和して広がり、花に優しさを見せるので、菊花石を愛好するのです。